コラム「ひきこもり支援の現場から」第19回

ひきこもり支援コラム19

人おこし事務局長の能登が、美作市社会福祉協議会の広報誌「はい!社協です」に連載しているコラム「ひきこもり支援の現場から」。若者たちと過ごす日々の中で感じることを、少しずつコラムとして綴っています。社協さんに快く許可をいただきましたので、こちらのウェブサイトにも掲載いたします。

コラム「ひきこもり支援の現場から」第19回

実践編⑥ 「竜王攻略」の秘訣は酒場にあり!


「隣の○○ちゃんは楽しそうに学校に行けているのに、なんでうちの子だけ・・」

「普通に働ける子の親には、私の気持ちなんてわからない・・」

「旦那は仕事で忙しいから、子どものことは私の責任・・」

そんな風に、全部一人で引き受けて、一人で戦っていませんか?

戦い・・・ということで、久しぶりにドラクエに例えてみましょう。笑

子育ては、私たちが人生を賭けて挑戦するに値する大冒険です。振り返ってみてください、冒険の連続だったのではないでしょうか?夜泣き、乳児湿疹、突然の高熱、イヤイヤ期、「なんで?」攻撃、反抗するし、甘えるし、理解できんし!目の前に次々に現れる新しい敵を必死に倒しながら経験を積んで、「お父さん」「お母さん」としてレベルアップしてきたはず。

そして、その大冒険の末に出現した「不登校」「ひきこもり」は、いわば「竜王」レベルの強敵。簡単に倒せないのは当たり前です。時間をかけてコツコツとレベルアップして、臨まなければなりません。

そしてもう一つ!強敵を倒すために欠かせないもの、それは「仲間」です。

今や15人に1人が不登校の時代(中学生。R5年文科省調査)。「うちの子だけ」どころか、3軒隣には同じ冒険をしている親御さんがいるかもしれません。また「親同士がつながることが解決の第一歩」というのが、ひきこもり支援専門家の共通認識になっています。

そう、つまりこの冒険の「攻略本」にはこう書かれていると言うことです。

「竜王を攻略するためには、まず仲間を作るべし」と。

伝説の勇者も、一人では竜王は倒せないんです。

「でも、同じ境遇の親御さんとどうやってつながればいいのか・・」

そう思ったそこのあなた!(ショッピング番組みたいですみません。笑)

昨年「家族会」なるものができたことをご存知でしょうか。

ドラクエで言うところの「酒場」です。(残念ながらお酒は出ません。笑)

同じ境遇の仲間が集まる場で、情報交換、勉強会、ときには我が子に関する愚痴合戦!そうして張り詰めていた親の気持ちが緩んでくると・・不思議と子どもの気持ちも緩んできます。 我が子の幸せを勝ち取るための竜王との決戦。一人で抱え込まず、同じ志を持った仲間と力を合わせて、ハッピーエンドを目指しませんか?

*上記「家族会」は岡山県美作市で発足したものです。ぜひお近くの家族会を探してみてください!

ひきこもり支援コラム|勇者のパーティ

美作市社会福祉協議会発行「はい!社協です」 2025年5月号