人おこし事務局長の能登が、美作市社会福祉協議会の広報誌「はい!社協です」に連載しているコラム「ひきこもり支援の現場から」。若者たちと過ごす日々の中で感じることを、少しずつコラムとして綴っています。社協さんに快く許可をいただきましたので、こちらのウェブサイトにも掲載いたします。
ひきこもり支援の現場から|第22回
クイズ② ひきこもりの息子をおいて家族旅行?
実践編クイズ第2問、いってみましょう!
あなたは年末に家族旅行を予定しています。ところが高校生の息子は絶賛ひきこもり中、何度誘っても応答がありません。さあどうしますか?
- ①外と触れ合う絶好の機会だから、連れて行く
- ②1人で留守番させて、息子以外の家族で旅行を満喫する
- ③1人では家事もできないし、旅行はやめにする
「ずっと部屋でゲームばかりして過ごす息子に、少しは外の空気を。」
「旅行で気分を変えたら、普段できない話しもできるかもしれない。」
わかります。でも今回も、大方の期待とは裏腹に、正解は②なんです。
1人だけ置いて楽しむなんて・・って後ろめたく感じてしまうのは当然だと思います。最愛の家族ですからね。でもこれも、前回のクイズと考え方は同じです。
もし息子さんのせいで、家族全員が楽しみにしていた旅行をあきらめることになったら、息子さんは「自分のせいで・・」と自分を責めてしまうでしょうし、家族の側にも「あの子のせいで」というわだかまりが残ることになりますから、あまりよいチョイスではありません。
では逆に、ちょっと強引に連れて行った場合はどうでしょう?
家族で一緒にご飯を食べ、温泉に入り、川の字に布団を並べて・・、そうやって一緒に過ごしたら、もしかしたらあの頃に戻れるかも、と親御さんの期待は膨らみます。
でも、息子さんの気持ちはどうでしょうか。
ご飯を食べながら、お風呂に入りながら、どんな会話になるか、もう火を見るより明らかですよね。
「たまには学校行ってみたら?」「仲良しだった◯◯くんもこの前心配してたよ」
今の息子さんが「絶対に!!」触れてほしくない話題のオンパレード。
息子さんだってもちろん、昔みたいに家族と無邪気に旅行を楽しみたい気持ちは一緒です。だけど・・・今は行きたくないんです。
「でも料理も洗濯もしたことないのに置いていって大丈夫なの?」
心配ですよね。でも実は、普段部屋から(家から)一歩も出なかった息子が、親の留守中にスーパーでお惣菜を買ってきたり、それどころか料理や洗濯までしていたり・・これ「ひきこもりあるある現象」なんです。 「可愛い子には旅をさせよ」と言いますが、この場合は逆に「留守番お願いね。」こそが、彼にとっての「一人旅」なのかもしれません。
*もちろんケースバイケースなので、判断に迷ったら支援者さんにご相談を!

美作市社会福祉協議会発行「はい!社協です」 2025年11月号
